2026-06-255分で読めますSecurity

ZeroToolsのブラウザ内処理とプライバシー|外部通信が必要な機能と仕組み

画像やPDFをブラウザ内で処理する仕組みと,音声認識・外部API・モデル取得で通信が必要になる場合を解説します.端末内保存や広告・アクセス解析との違いも確認できます.

#ブラウザ完結 ツール#サーバー送信なし#ZeroTools 安全性#WebAssembly ツール#データ漏洩防止#プライバシー重視

§1. ブラウザ内処理と外部サービスの違い

画像圧縮やPDF編集のように,選択したファイルを端末内で読み込み,JavaScriptやWebAssemblyで処理して保存する機能では,ファイルを処理サーバーへアップロードする手順を省けます.一方,音声認識の処理先はブラウザの実装によって異なります.為替や地理情報の取得では外部APIへの問い合わせも必要です.

処理の種類通信に関する注意
ファイルのブラウザ内処理画像圧縮,PDF編集選択したファイルの処理と,ページやライブラリを取得する通信は別です
モデルを取得して端末内で処理OCR,背景除去初回などにライブラリ・WASM・モデルのダウンロードが必要です
外部の認識サービスを利用する場合がある音声文字起こしブラウザによって音声が外部サービスへ送信されます
外部データを問い合わせる為替,IPアドレス情報問い合わせ先へリクエストが送られます

外部サービスを使う機能では,サービス提供者のデータ保持・利用方針も確認してください.機密性の高い音声を,処理先の確認なしに入力することは避けてください.

§2. ファイルを端末内で扱う技術

2.1 JavaScriptとブラウザのメモリ

FileやFileReaderなどのAPIで読み込んだデータは,ブラウザ内で計算や編集に利用できます.処理後のデータをBlobとして生成し,端末へ保存することもできます.ただし,これらのAPIを使っているだけで,通信や保存が禁止されるわけではありません.処理方式はツールの実装によります.

タブを閉じると通常の画面状態は失われますが,自動保存を持つツールではLocalStorageやIndexedDBに内容が残る場合があります.ダウンロードしたファイルやコピーしたテキストも,タブを閉じるだけでは消えません.共有端末では利用後の保存内容を確認してください.

2.2 WebAssemblyとCanvas

OCRや背景除去などでは,ブラウザ向けのライブラリやモデルを使って端末内の計算を行います.画像のサイズ変更や描画にはCanvasを利用できます.処理時間や使用メモリは,端末性能,ファイルサイズ,画像の解像度によって変わります.大容量の処理が必ず瞬時に終わるわけではありません.

2.3 暗号化と安全性の範囲

Web Crypto APIは,ブラウザで暗号処理を行うためのAPIです.暗号化されたファイルは,パスワードの強度や保管方法も含めて管理する必要があります.ブラウザ内処理はファイル送信を避ける設計に役立ちますが,端末の感染,拡張機能,配信コードの改ざんなど,あらゆるリスクをなくす保証ではありません.

2.4 CSPについての訂正

以前のこの記事には,ZeroTools全体で外部通信を禁止するCSPを設定しているという説明がありました.その設定を保証する記述は不正確なため訂正しました.CSPは通信先などを制限する仕組みですが,設定の内容と実際のレスポンスを確認する必要があります.ブラウザのサンドボックスも,全ネットワーク通信を自動的に禁止する仕組みではありません.

§3. オフライン利用と通信の確認方法

ブラウザ内で処理する機能でも,最初にライブラリやモデルを読み込むために通信が必要な場合があります.オフライン利用は,必要な資源が読み込まれていることと,処理に外部サービスを必要としないことが前提です.

1. 機密情報を含まないテスト用のファイルを用意します.

2. ツールの説明を読み,必要なライブラリやモデルの読み込みを完了させます.

3. ブラウザの開発者ツールでNetworkタブを開き,処理時の問い合わせ先を確認します.

4. オフラインで使う場合は,接続を切った状態で入力から結果の保存まで試します.

5. エラーが出た場合はオンライン依存の有無と,ブラウザの対応状況を確認します.

Networkタブだけで,ブラウザ内部の音声認識サービスを含む全通信が見えるとは限りません.リクエストが見当たらないことだけを根拠に,外部送信なしとは判断しないでください.

§4. 広告・アクセス解析と業務での利用

ファイルを端末内で処理することと,サイト表示に伴う通信は別です.ページやモデルの配信,広告,アクセス解析では通信やCookie等の利用が発生する場合があります.取り扱いはプライバシーポリシーをご確認ください.

業務で使う際は,処理する情報の種類と所属組織の利用基準を確認してください.端末内で処理するという理由だけで,セキュリティ確認や個人情報の取り扱いの確認が不要になるとは限りません.重要なファイルは原本を保管し,結果を確かめてから利用してください.

§5. 参考資料と関連ツール

説明と動作に食い違いを見つけた場合は,お問い合わせから対象ツールと利用環境をお知らせください.