X.509 証明書デコーダー (.crt / .pem 解析)

X.509形式のSSL/TLS証明書(PEMテキスト)を解析し,内部の属性や有効期間をデコードするツールです.対象のテキストや.crtファイルを読み込ませることで,ブラウザ内で証明書の内容を展開して表示します.

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このツールが向いている用途

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PEM証明書の一般名・SAN・有効期間を見比べ,SHA指紋をコピーしたいときに使えます.端末時刻を基準に,有効期間内かどうかも確認できます.

まず試せること

サンプル読込から解析を実行すると,一般名demo.example.invalidやRSA 2048bitを確認し,SHA-256指紋をコピーできます.

利用条件

解析ライブラリの取得には通信が必要です.入力は200,000 UTF-16コード単位,ファイルは1 MiBまでで,PEMの最初の証明書を解析します.信頼チェーン・署名・失効・接続先ホスト名は検証しません.

ZeroToolsのブラウザ内処理とプライバシー

ZeroToolsは,入力内容を端末内で処理するツールを中心に提供しています.各ツールの対応範囲と制限を確認して利用してください.

データの取り扱い・プライバシー方針
第1章

PEM形式証明書の入力要件と初期解析プロセス

SSL/TLSで利用される電子証明書は,一般的にバイナリ形式であるDER(Distinguished Encoding Rules)をBase64エンコードし,前後にヘッダとフッタを付与したPEM(Privacy-Enhanced Mail)形式で配布されます.本ツールのデコード処理は,このPEM形式のテキストデータをブラウザ内で読み込み,内部の情報を可視化するプロセスから始まります.

操作として,画面上のテキストエリアに直接文字列を貼り付けるか,.crt,.pem,.cerといった拡張子を持つファイルをドロップまたは選択して入力します.この際,入力テキストの長さは200,000文字まで,ファイルサイズは最大1MiBという制限が設けられています.

ツールは入力値の中から-----BEGIN CERTIFICATE-----で始まり-----END CERTIFICATE-----で終わるブロックを探索します.ヘッダ・フッタが欠落したBase64文字列が入力された場合は自動的に補完して解析を試みます.なお,秘密鍵やCSRなど証明書以外のデータが含まれることを検知した場合はエラーを表示して処理を中断します.

また,サーバー証明書と中間証明書が連結されたチェーンファイルが入力されたケースでは,仕様として先頭にある最初の1ブロックのみを抽出対象とし,以降のデータは破棄します.解析に必要な機能の読み込みとして,CDNを経由してnode-forgeライブラリを取得するため動作時には通信が発生します.

第2章

主体者(Subject)および発行者(Issuer)の属性展開

証明書における最も基本的な情報は,誰に対して発行されたのか(Subject)と,どの認証局が発行したのか(Issuer)を定義する識別名(Distinguished Name)です.ツールは内部のASN.1構造を解析し,これらの属性を抽出して画面上の表に展開します.

表示される項目には,一般名(CN: Common Name),組織名(O: Organization),部門名(OU: Organizational Unit),国名(C: Country),都道府県(ST: State/Province),市区町村(L: Locality),メールアドレスなどがあり,抽出された値は文字列としてそのまま出力されます.

一つの属性に対して複数の値が設定されているような特殊なケース(同一の識別名OIDが複数回登場する場合など)においては,それらの値をスラッシュ(/)で区切って一つの文字列として結合し,一覧表示の中で省略されることなく全体を確認できるように処理を行っています.

さらに,これらの識別名情報に加えて,発行者の範囲で証明書を識別するシリアル番号(SerialNumber)のデコード結果も別枠で表示されます.シリアル番号は非常に長い16進数の文字列となることが多いため,目視確認の負担を減らすだけでなく,コピーボタンを用いてクリップボードへワンクリックで取得できる操作を提供しています.

これにより,証明書の識別情報を手元で照合する作業や,更新時期に向けた証明書管理台帳への記録作業を補助する役割を果たします.

第3章

端末時刻に基づく有効期間の算出と状態表示

X.509証明書には,その証明書が正当なものとして扱われる期間を定める「開始日時(Not Before)」と「満了日時(Not After)」のデータが含まれています.デコードエンジンは,これらのフィールドから世界協定時(UTC)ベースの日付データを取得し,ツールを利用している閲覧者の端末に設定されたタイムゾーンと時刻フォーマットに従って,直感的にわかりやすい年月日の日時文字列へ変換して画面に表示します.

有効期間の判定プロセスでは,取得した開始日時および満了日時のタイムスタンプと,ツールを実行した瞬間の端末のローカル時刻(ウェブブラウザが取得する現在時刻)とを比較します.端末時刻が指定期間内に収まる場合は「期間内」として緑色のアイコンとともに有効状態を画面上部に表示し,現在時刻から満了日時までの残り日数を計算して併記します.期間外である場合は赤い警告アイコンを表示し,利用者に注意を促します.

ここで注意すべき点は,この状態表示があくまでローカルでの日時の単純な比較のみを根拠としている事実です.証明書が本来の役割を果たすために必要な,ルート認証局からの信頼チェーン構築,失効リスト(CRL)やOCSPによるリアルタイムな状態確認,対象ホスト名との合致などは本ツールでは検証しません.

単一ファイルの属性展開を目的とするため通信を伴う検証を行わず,表示される期間内のステータスはシステム的な安全性を保証するものではないという前提で結果を読み取る必要があります.

第4章

公開鍵パラメータとデジタル署名アルゴリズムの判別

暗号化通信の土台となる公開鍵情報と署名アルゴリズムの仕様も,証明書の内部データからデコードされます.本ツールでは,対応している公開鍵アルゴリズムの種類とその暗号学的強度(鍵長)の読み取りを実施し,結果を構造化して出力します.

現状の実装において,ツールは広く普及しているRSA暗号方式の公開鍵データの解析を対象としています.すべての証明書の解析成功を保証しません.RSA鍵が検出された場合,そのモジュラス(n)のビット長を計算し,2048ビットや4096ビットといった具体的な「鍵長」として画面に反映させます.

一方で,楕円曲線暗号(EC/ECDSA)やEd25519などの他の新しいアルゴリズムに基づく公開鍵が入力された場合は,ライブラリが対応しないため証明書の解析自体がエラーになる場合があります.ECやEd25519の解析に対応していると解釈しないでください.

これと併せて,証明書データが改ざんされていないことを証明するための署名アルゴリズム識別子(Signature Algorithm)も抽出対象となります.現在の画面は署名アルゴリズムを1.2.840.113549.1.1.11のようなOID数値として表示します.

名称への自動変換や署名の正当性の検証は行いません.必要な場合は該当OIDの公式定義と照合してください.これらの暗号関連データもブラウザのメモリ領域で処理・変換されます.

第5章

元のバイナリデータを用いたフィンガープリント計算

証明書の同一性を確認したり,各種クラウドサービスやAPIへの登録時に求められるハッシュ値(フィンガープリント)の算出は,証明書デコードにおいて頻出の操作です.本ツールでは,SHA-1およびSHA-256アルゴリズムを用いた2種類のフィンガープリントを計算し,16進数の文字列(コロン区切り)として提供します.

この計算プロセスにおける技術的な仕様として,デコードした属性データ(JSONオブジェクト等)から再度ASN.1構造を構築し直してハッシュ計算にかける手法は採用していません.代わりに,PEMテキストのBase64エンコード部分をデコードして得られた「元の証明書のDERバイナリデータ」のバイト列そのものを入力値として,node-forgeのメッセージダイジェスト関数(md.sha1およびmd.sha256)に直接渡し,ハッシュ値を生成しています.

元のバイナリをそのまま使用することで,再構築時のパース差異によるハッシュ値のズレを防ぎ,サーバーやOSのコマンドラインツール(OpenSSLなど)で出力される本来のフィンガープリントと正確に一致する値を出力できるよう処理されています.

生成されたSHA-1とSHA-256の文字列は,文字サイズを抑えた等幅フォント領域に表示され,シリアル番号と同様にワンクリックでコピーできるUIコンポーネントに格納されます.なお,SHA-1は現在セキュリティ上の理由から新たな署名用途としては非推奨とされていますが,過去のシステム連携や特定のクラウドサービスへの識別子登録といった限定的な用途で依然として値を求められるケースが存在するため,算出項目として維持しています.

第6章

拡張属性(Extensions)の展開とSANの読み取り

X.509 v3で導入された拡張属性(Extensions)は,証明書の用途を細かく定義したり,複数のドメインに対応させたりするために利用されます.ツールの解析処理では,この拡張領域に格納されたデータ群を配列として抽出し,個別のレコードとして画面下部のリストへ一覧化します.

中でも特に確認頻度が高いものが,サブジェクト代替名(SAN: Subject Alternative Name)です.マルチドメイン証明書やワイルドカード証明書などでは,この領域に保護対象となる有効なドメイン名やIPアドレスが列挙されます.解析処理では,SANのデータ構造からIPアドレス(タイプ7),DNS名(タイプ2),URI(タイプ6),Email(タイプ1)などの種類を判別し,「DNS:example.com, IP:192.168.1.1」のようなカンマ区切りの可読な文字列へと変換して出力します.

これにより,発行を依頼したドメインが漏れなく登録されているかを視覚的に検査できます.

SAN以外の拡張属性(Key UsageやBasic Constraintsなど)についても,ツールは識別された名前をラベルとし,内部に設定された値を文字列として展開します.値が単純な文字列として表現できない複雑なオブジェクト構造を持っている場合は,プログラム内でJSON文字列へと変換した上で出力し,値の表示を試みます.

ただし,SAN以外はバイナリ由来の文字列がそのまま表示されることもあり,各拡張の全項目を意味の分かる形で展開するわけではありません.これらの属性情報も入力テキストを変更すると即座に破棄され,画面上の状態がリセットされます.

よくある質問(FAQ)

A.
.crt,.pem,.cerなどの拡張子を持つPEM形式のテキストデータに対応しています.DER形式のバイナリファイルやPFX,CSR,秘密鍵の解析には対応していません.また,テキスト入力は200,000文字,ファイルアップロードは1MiBの上限があります.
A.
本ツールが行うのは,証明書内に記載された開始日時と満了日時を現在のご利用端末の時刻と比較し,期間内であるかを判定することのみです.ルート認証局への信頼チェーン検証,署名の正当性,失効状態,ホスト名の照合などの検証機能は含まれていません.
A.
テキスト内に複数のCERTIFICATEブロックが含まれるチェーン証明書などを入力した場合,本ツールでは最初に見つかった証明書ブロックのみを解析して画面に表示します.2つ目以降の証明書の内容を同時に展開することはできません.
A.
入力されたPEMテキストからデコードした元のバイナリデータ(DER)に対して,直接ハッシュ関数(SHA-1およびSHA-256)を適用してフィンガープリントを算出しています.再構築したASN.1データではなく,元のバイト列をそのまま使用して計算します.