入力できる4項目と画面に表示される計算結果
本ツールは,商品の値引き後価格と,入力原価だけを差し引いた利益額・粗利率を確認するための計算シミュレーターです.利用者が直接入力できるのは「定価(標準販売価格)」「仕入れ原価(コスト)」「割引率」「目標粗利率」の4項目です.販売価格,現在の粗利率,利益額を入力して別の項目を自由に逆算する計算機ではありません.
定価と原価は0円から100,000,000円までの整数です.割引率は0%から100%,目標粗利率は1%から99%の範囲で,数値欄では0.1%単位,スライダーでは1%単位で変更できます.数値欄とスライダーのどちらを使っても,同じ計算規則へ渡されます.
入力した条件から「値引き後販売価格」「定価からの値引き額」「原価だけを引いた差額(概算粗利)」「現在の粗利率」を表示します.さらに,目標粗利率から「目標達成に必要な最低販売価格」と「許容される最大割引率(定価比)」を逆算します.計算結果のコピー,履歴保存,複数案の同時比較,CSV・PDF出力はありません.条件を一つずつ変え,画面上の結果を比較する用途に限られます.
販売価格・値引き額・概算粗利・粗利率の計算式
値引き後販売価格は,定価 ×(1 - 割引率 ÷ 100)で求め,円単位へ四捨五入します.定価10,000円を15%引きにすると,10,000 × 0.85 = 8,500円です.値引き額は,定価から丸め後の販売価格を引くため,この例では1,500円になります.
概算粗利として表示する差額は,販売価格 - 入力原価です.販売価格8,500円,原価4,000円なら4,500円です.原価が販売価格を超える場合も入力でき,結果は負の金額として赤字表示します.この差額は,消費税,送料,販売手数料等を差し引いた最終利益ではありません.
粗利率は,(販売価格 - 入力原価)÷ 販売価格 × 100で計算し,表示を小数第1位へ四捨五入します.上の例は4,500 ÷ 8,500 × 100 = 約52.941%なので,52.9%と表示されます.販売価格が0円では分母が0になり,比率を定義できません.割引率100%等で販売価格が0円になった場合,0%と見せず「算出不可」と表示します.
販売価格の構成比を示す帯は,概算粗利が0円以上のときだけ表示します.原価が販売価格を超える赤字時に二つの100%帯を並べると数値関係を誤解しやすいため,帯の代わりに「入力原価は販売価格をいくら上回っているか」を文章で示します.
初期値と赤字条件を使った具体的な読み方
初期状態は,定価10,000円,仕入れ原価4,000円,割引率15%,目標粗利率35%です.販売価格は8,500円,値引き額は1,500円,入力原価だけを引いた差額は4,500円,粗利率は52.9%になります.画面を開いた直後からこの値を計算し,変更後も同じ共通関数から結果をまとめて導出します.
同じ定価10,000円・原価4,000円のまま割引率を70%へ変更すると,販売価格は3,000円です.3,000 - 4,000 = -1,000円となるため,入力原価が販売価格を1,000円上回る赤字として表示します.粗利率は-1,000 ÷ 3,000 × 100 = 約-33.3%です.赤字であることは色だけに頼らず,差額の文章でも確認できます.
割引率を100%にすると販売価格は0円,差額は-4,000円です.このとき粗利率は算出不可です.一方,割引率0%なら販売価格は定価と同じ10,000円で,差額は6,000円,粗利率は60%になります.割引率を変えたときは,値引き額だけでなく差額と粗利率も同時に確認すると,原価との関係を判断しやすくなります.
入力できる原価は定価以下に限定していません.定価や販売価格より高い原価を入れて赤字条件を確認できます.ただし,入力値は単一商品の一案として扱い,数量を掛けた売上合計,複数商品の合算,返品率等は計算しません.
目標粗利率から最低販売価格と割引上限を逆算する方法
目標粗利率から販売価格を求める式は,原価 ÷(1 - 目標粗利率 ÷ 100)です.原価4,000円で目標35%なら,4,000 ÷ 0.65 = 約6,153.846円です.6,153円へ下げると表示条件の目標を下回るため,本ツールでは円単位で切り上げ,最低販売価格を6,154円とします.
定価10,000円に対して必要販売価格6,154円の場合,計算上の割引余地は約38.46%です.「最大割引率」として四捨五入した38.5%を使うと販売価格が6,150円になり,目標35%をわずかに下回ります.そこで本ツールは割引率を小数第1位で安全側へ切り捨て,38.4%と表示します.38.4%を適用した販売価格は6,160円で,最低販売価格6,154円以上です.
必要販売価格が定価を超える場合,現在の定価から値引きして目標へ到達する余地はありません.この場合は割合を0%と見せず,「定価より高い販売価格が必要」と表示します.定価が0円の場合も割合を割り算できないため,「定価を入力してください」と案内します.
この逆算は,入力原価だけを費用とした数学上の目安です.販売先の価格単位,税の端数処理,クーポンやポイントの扱い,他費用まで含めた採算ラインを自動判定するものではありません.
粗利率・原価率・マークアップ率・値入率を混同しないために
本ツールの粗利率は,販売価格を分母にして,(販売価格 - 入力原価)÷ 販売価格で求めます.入力原価をその販売に対応する売上原価とみなす単純モデルです.正式な会計上の売上原価や売上総利益を,入力内容から自動確定するものではありません.
同じ単純モデルで原価率を求めるなら,入力原価 ÷ 販売価格です.粗利率と原価率を足すと100%になりますが,原価率はこの画面の独立した出力項目ではありません.マークアップ率は原価を分母にして差額 ÷ 原価とする用法等があり,販売価格を分母にする本ツールの粗利率とは数値が異なります.本ツールはマークアップ率を表示・換算しません.
値入率は小売業の価格設定で用いられる言葉で,初回値入と値下げ後の実際値入等,どの段階の売価・値入額を使うかの前提があります.式の形が似る場合でも,本ツールの粗利率を無条件に値入率と言い換えません.利用先で求められる指標名と分母を確認してください.
また,粗利と最終利益は別です.本ツールは消費税,送料,梱包費,プラットフォーム販売手数料,決済手数料,広告費,返品費,固定費,人件費等を自動反映しません.税抜金額を使うなら定価と原価を税抜同士,税込金額を使うなら税込同士に揃えます.税額や請求書上の端数規則は,消費税計算器等で別に確認してください.
一時的な価格試算としての用途・保存範囲・非対応機能
利用例は,単一商品のセール前に15%・20%・30%引きを順番に試す,仕入れ原価を入力して赤字になる割引条件を見直す,目標粗利率から必要販売価格を確認する,といった一案ずつの価格検討です.結果から価格の適否,販売可能性,利益確保を保証するものではなく,最終判断には実際の費用と販売条件を加える必要があります.
入力値と結果は計算画面の状態として一時的に保持し,ページを再読み込みすると初期値へ戻ります.データベースやlocalStorageへの履歴保存,アカウント同期,複数案の一覧,専用のCSV・PDF出力,帳票・値札の作成,競合価格の取得・監視,会計システムとの連携はありません.ブラウザ標準の印刷機能とは別に,計算結果を整形して印刷する専用ボタンもありません.
定価・原価・率から結果を導出する計算処理は対象コンポーネント内で行い,これらを計算用の外部APIへ送る処理はありません.ただし,ページのHTML・JavaScript等の読込み,サイト共通の広告・アクセス解析,シェアボタン利用等に伴う通信とは別です.サイト全体が完全オフラインまたは一切無通信であることを意味しません.
関連ツールへ値を自動転送する機能もありません.パーセント計算,消費税計算,請求書・見積書作成へ進む場合は,この画面の数値を確認して移動先へ手動で入力してください.本ツールの範囲と丸め規則を理解したうえで,セールやEC物販における価格検討の参考値として使用します.